金沢 治彦先生

金沢 治彦先生

名古屋中央支部に所属する先生方にインタビューするこの企画。第43回目は、名古屋市北区にある「金沢司法書士・行政書士・不動産事務所」の金沢 治彦先生のインタビューです。

 

ーー大学時代について教えてください

 

高校3年生になって「一人暮らしがしたい」という思いを原動力に必死で勉強して、同志社大学の法学部に合格しました。入学してみると、系列高校から上がってきた子の品の良さに圧倒されたり、仮面浪人をしている人に出会ったりとカルチャーショックの連続でしたね。

 

しばらく楽しく過ごしていたんですが、半年くらい経って急に無気力になった時期がありました。いま思うともっと勉強しておけばよかったと思うんですが…当時は、映画同好会の友人たちと夢を語り合って過ごしたのが良い思い出です。

 

ーー司法書士を目指したきっかけはなんですか?

 

就職氷河期で、才能ある先輩や友人たちが次々と不採用になるのを目の当たりにしていました。そこで私は、法律に携わる資格をとってひとりで仕事をしようと決めたんです。独立できる仕事を探したところ、司法書士という資格を知りました。

 

 

今でも覚えているんですが、ゼミの先生に「司法書士になりたい」と伝えたら「知り合いはいるのか?大丈夫か?」と言われて悔しかったですね。それでも私は「この資格を武器に世界を切り拓いていくんだ」という自負がありました。若者の特権とも言えますが、自分と司法書士には親和性があると信じ込んでいました。

 

ーー試験までの道のりを教えてください

 

大学を卒業して、試験勉強のために実家に戻りました。入学のときは意気揚々と向かったのに、戻ったときはまるで廃人のようでした…(笑)

 

 就職もせず、資格も取れず…自分に向けられる家族からの目線や言葉、ひとつひとつ夢を叶えていく友人、ボーナスをもらった同級生などに焦り、砂を噛むような毎日を過ごしていました。

 

学習塾の講師をしながら勉強を続けていましたが、資格予備校もただ講座を消費しているような状態で…25歳になって「このままだったらどうしよう」と急に不安になりました。試験に受かるために自分の実力と向き合い、その頃から本気で勉強を始めました。

 

 

ーー受験勉強や試験でのエピソードについて

 

家から近い場所に静かな図書館があったので、毎日通っていました。ある日、同じように朝から晩まで利用している男性がいることに気づいたんです。よく見てみると、どうやら彼も同じ司法書士試験の勉強をしているようでした。

 

1年経った頃に思い切って話しかけ、そこから交流が始まりました。彼は私よりも年上で元銀行勤務、すでに結婚もしていました。年齢も境遇も違ったけれど、仲間でありライバルでありという不思議な関係性が始まりました。お互い携帯を持っていないので連絡は取れないけれど、図書館に行けば必ず毎日会えるんです。

 

その次の試験は、2人とも不合格でした。「またやるしかないな」と、また同じ日々の繰り返しです。そして、私が合格した平成15年。報告するため図書館に向かうと、彼がいました。振り返った彼の顔は…私と同じ笑顔です! ふたりで大喜びしました。お互いに司法書士になった今でも、良いお付き合いを続けていますよ。

 

ーー合格後について

 

まずは両親、兄たちに感謝の気持ちでいっぱいでした。そして、ようやく武器を得た、自分の人生を切り拓くことができるという安堵がありました。

 

ーー司法書士業務の変移について

 

私が合格した当時は、ちょうど多重債務が社会問題として出てきた時代で、新人時代から開業後まで、その波のど真ん中で一生懸命に業務と向き合いました。そして、司法制度改革などを経て平成23年頃になると、多重債務に関する相談が極端に減りました。仕事はなくなりましたが、社会問題の解決や法改正に貢献でき「資格を取った価値があったな」と誇らしく思いました。

 

 

不動産取引がたくさんあれば登記依頼が増える、銀行の金利が減れば借り換え業務が増える…私たち司法書士は、起きたことに対してのアクションしかできないし、どんなことも永遠に続くわけじゃない。これからの時代は相続手続きが増えてくるだろうし、4月には相続登記法が改正されて相続登記義務化問題も出てきます。

 

こうした社会のバイオリズムのなかで、いつでも問題に対応できるようアップデートしていれば、私たち司法書士は必ずお役に立つことができます。

 

ーー司法書士のやりがいは?

 

モットーとしては、相談者やご依頼者の依頼や相談事項を把握して、お気持ちに寄り添いながらも、解決に至るまでの最善の方法をご提案することです。

 

すべて終わったときに「ありがとうございました」と言っていただけると、お役に立てて良かったなと思います。

 

ーーオススメの本を教えてください

 

 

『実践成年後見/民事法務協会』

現代ならではの事例が紹介されているので、最先端の知識のアップデートに役立っています。目次だけでも目を通しておくと、なにか困ったときに参考書を探すよりも早く答えが出ることがあります。

 

『月報司法書士/日本司法書士連合会』

これを読むと、連合会の考えや司法書士のトレンドがわかるんです。案外皆さん読んでいないんですが、おすすめですよ。

 

ーー事務所の雰囲気はいかがですか?

 

私と妻、そして事務員さんというスタッフ構成で、ご相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。そのせいか、ご近所の方が突然来られることもあるくらいです(笑)

 

また、行政書士や宅建の資格も取得しているので幅広いお悩みに対応しつつ、他士業さんとの連携もはかっています。

 

ーー趣味はなんですか?

 

学生時代からバイクに乗っています。休日には『YAMAHA SR400/2008年式』でのツーリングなどを楽しんでいます。

 

 

また、殺陣・立ち回りの稽古も月に2回続けています。きっかけは、健康維持のために体を動かしたいなと思っていたときに、とあるお城の武将隊ボランティアに参加したことです。もともと剣道はやっていましたが、動きを魅せるという点で奥深いと感じています。

 

 

それから、読書も年間50〜100冊を目標に継続しています。

 

ーー今後の目標は

 

日々多様化する社会問題に真摯に向き合い、専門的な知見や経験を活かして対応する、また対応する努力を怠らない司法書士であり続けたいです。

 

金沢先生、ありがとうございました!

 

 

取材/テキスト ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com

インタビュアーより

『熱中時代』の影響で、教師になりたかったという金沢先生。熱い語り口と情熱溢れる姿勢は、まるでドラマの北野広大先生(水谷豊)そのものでした!また、受験当時のエピソードのひとつである、同じ図書館での運命的な出会いには思わず感動してしまいました。現在もご縁が続いていることも、とても素敵ですね。

 

※インタビューの内容は2024年2月取材時のものです。最新の状況は事務所に直接お問い合わせいただくか、司法書士名古屋中央支部へお問い合わせください。

 

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司法書士名 金沢 治彦先生
所属事務所 金沢司法書士・行政書士・不動産事務所
住所 〒462-0832
愛知県名古屋市北区生駒町一丁目15番地6
電話番号 052-911-4438
WEBアドレス http://www.kanazawa-office.jp/

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