林 潤先生

林 潤先生

名古屋中央支部に所属する先生方にインタビューするこの企画。第30回目は、名古屋市西区にある「愛実司法書士事務所事務所」の林 潤(めぐみ)先生のインタビューです。

 

ーー司法書士になる前について教えてください

 

大学では図書館情報学を学んでいました。図書館運用に関わる知識を身につけながら、IT技術を用いて図書館に集積した膨大な情報や社会の知的情報の蓄積・整理について学んでいました。

 

当時は就職氷河期だったため就職活動も難しく、建築業をしていた岐阜の実家で、経理のお手伝いをすることに。そこで簿記2級や建築経理1級、宅建の資格を取得したのですが、家業が廃業することになり…。

名古屋に出て、経理の資格や経験を活かせる事務職に就きました。

 

ーー司法書士を目指したきっかけはなんですか?

 

事務の仕事を続けて感じたのは、頑張りの評価やお給料がすぐには上がりにくいという現実でした。

 

事務仕事は好きでしたので「事務職でトップの資格はなんだろう」と考えた時に思いついたのが、司法書士だったんです。すでに宅建を取得していたのでその延長線上で取得できるだろうと考えていましたが、こんなにも難しい資格だってことは、勉強を始めてから気が付きました(笑)

 

また父親の相続を経験したことも、法律の仕事に興味がわいたきっかけになりました。司法書士の方にすごくお世話になったので、もし試験に合格できなかったとしても知識として法律を知っておくことは、この先きっと役に立つと考えましたね。

 

ーー受験勉強や試験でのエピソードについて

 

大学で法学を専攻していなかったので、法律知識がゼロのところから勉強をはじめたので大変でした。

1年半ほど夜間の司法書士受験専門学校に通い、昼は事務の仕事を続けながら、3回目でようやく合格できました。学費や生活費など金銭的なこともあり、試験に挑戦するのは「3回まで」と決めていました。

 

実はその3回目の試験、手応えはまったくなかったんです。お世話になった専門学校の先生から「自己採点は必ずしろ」と言われていたのですが、これは絶対受からないと思い、試験会場のゴミ箱に問題用紙をすべて捨てて帰っちゃいました(笑)

 

試験後は司法書士の夢をすっかり諦め、宅建の資格を活かそうと不動産会社への就職も決めて未練なく過ごしていました。でも2ヶ月後の合格発表、ふと見たら私の名前が載っているじゃないですか(笑) もうびっくりでしたね!

 

 

ーー合格後について

 

知り合いに紹介してもらった一宮の司法書士事務所に勤めました。地域に根付き、地域の方の困りごとを解決する事務所で、入職時、資格者は私と事務所の先生と二人だけ。とても良い先生だったので働きやすく、5〜6年ほど働きました。

 

オールマイティな事務所だったので、不動産登記や地元企業の商業登記、債務整理などすべての分野を幅広く学びました。試験で得た知識がそのまま使えるわけではなく、さまざまな業務を経験するなかで多くのスキルを身につけられたと思います。

 

責任を持って仕事をしていましたが、雇われるということは、最終的な責任は雇主の先生が負うということ。依頼者に最初から最後まで携わることで、司法書士としても人としてもより成長できるのではと思い独立を決意しました。

 

ーー独立後の事務所について

 

独立して今年で8年目。事務所は私一人なので、自分のペースで仕事をしています。

 

不動産登記や商業登記もやりますが、今は主に相続関係、民事信託(家族信託)に力を入れています。高齢の方の資産を守るために、その方に沿った管理や相続のアドバイスを続けていきたいですね。

 

ーー司法書士のやりがいは?

 

依頼者から「ありがとう」と感謝をしてもらえることですね。事務職時代は仕事はするのが当たり前。感謝されることはまずありませんでした。

 

司法書士になって、私としては、職業上当然の業務をしているだけですが、感謝していただけることが増えて、素敵な仕事だなぁと感じます。依頼者とお話している時、業務外のことでも私の知識で役に立ちそうなことがあれば、アドバイスすることもあるんです。そんなところも喜んでいただいているのかもしれません。

 

ーー印象深いエピソードについて

 

遺言作成に携わる時は、どの方も印象深いですね。一度話したくらいでは、その方の深いところまで分からないもの。一人ひとり、さまざまな考えや想いをもっていらっしゃいます。世間体を考えた結論と、依頼者の想いは違うことは多々あります。だからこそ私は、各々の想いを汲み取り、依頼者の気持ちに寄り添ったアドバイスができるように心がけています。

 

また人生の最後の方に書く遺言書は、その方の人生をなぞることになります。いろいろな方の人生を知ることも、勉強になりますね。

 

ーーポリシーや座右の銘を教えてください

 

「悩むだけでは問題は解決しない。行動あるのみ」

 

悩むだけで解決することって絶対にありません。司法書士になったのも行動ありきでした。なりたいと思って、まずは各専門学校のパンフレットをたくさん集めたんです。当然ながらパンフレットってすごくいい感じのことばかり書いてあるんですよね。そのままモチベーションが上がって挑戦しちゃいました。

 

こんな感じで、やりたいと思ったことはすぐに行動しちゃいます。何も考えずにふっと始めちゃうから、あとで後悔しちゃうこともあるんですけどね(笑)

 

ーーオススメの本を教えてください

 

 

【不動産時マニュアル】

【商業登記ハンドブック】

業務上、役に立っている本です。

 

【中原中也詩集】

【山頭火】

詩や俳句は、一句ごとに掲載されているのでサクッと読むことができます。気分転換にもなり、パッと頭を切り替えることができます。

 

ーー趣味はなんですか?

 

海外旅行やお酒を飲むことが好きです。

最近は東南アジアを中心に、直近ではソウルに旅行しました。韓国は近くて日本語のメニュー表もあるから手軽に楽しめますよ。

 

 

印象的な旅行地は、若いころ一人で訪れたチベット自治区です。

 

チベットって中国の中でも特殊なところで、当時は個人旅行がNGでした。必ずツアーに参加しなくてはならず、一人でも受け入れてくれるツアーを探して申し込みました。標高の高いチベットはとにかく空が青くて、とても美しかったです。

 

 

特技は、子どもの頃から続けている琴の演奏です。6歳くらいから成人するまで習っていました。

 

 

私は三姉妹なのですが、写真は次姉の結婚式です。長姉と一緒に琴を演奏したことは思い出深いですね。

 

 

また、10年日記も書き続けています。今年で3冊目の5年が経過したところなので、25年以上続けていることになりますね。

 

年月を重ねると、司法書士を目指す前のことなんて忘れちゃうんですよね。でも日記をつけていると、ふと思い返せるんです。毎日しっかり書かなくても大丈夫。私も2年位空白が続いていることもありますが、当時はきっと日記を書く気分じゃなかったんだなぁと。空白は空白で、意味があると思っています。

 

ーー今後の目標は

 

解決の形は、みなそれぞれ異なります。

女性や高齢者を中心に、その方のお悩みに寄り添った形でのお手伝いを続けていきたいです。

 

林先生、ありがとうございました!

 

取材/テキスト ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com)

インタビュアーより

明るく素敵な笑顔で出迎えてくださった林先生。お話を聞いているだけでとても楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまいました。たくさんの資格取得に挑戦したり、チベットにお一人で旅行に行くなど、積極的な行動力にも脱帽です。華やかさと親しみやすさを兼ね備えている先生でした。

 

※インタビューの内容は2023年2月取材時のものです。最新の状況は事務所に直接お問い合わせいただくか、司法書士名古屋中央支部へお問い合わせください。

 

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司法書士名 林 潤先生
所属事務所 愛実司法書士事務所
住所 〒452-0815
名古屋市西区八筋町344番地1 アメニティー上小田井1D
電話番号 052-325-2993
WEBアドレス https://megumi-office.com/

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