森本 琢斗先生

森本 琢斗先生

名古屋中央支部に所属する先生方にインタビューするこの企画。第44回目は、名古屋市中区にある「森本司法書士事務所」の森本 琢斗先生のインタビューです。

 

ーーどんな子ども時代でしたか?

 

小学生まではおちゃらけタイプでしたが、中学生になると急に自分の立ち居振る舞いがわからなくなって、おとなしいタイプに変わりました(笑)

 

ーー学生時代について教えてください

 

大学では映画研究会のサークルに入り、学祭の時期になると自分で脚本を書いたり撮ったりしていました。当時から邦画ホラー特有のじめっとした雰囲気が好きでしたが、実際に初めて自分で撮ったのは、激しいスプラッター映画でしたね(笑)

 

妻ともこのサークルで出会ったこともあり、楽しくて、良い思い出がたくさんあります。

 

 

ーー司法書士を目指したきっかけはなんですか?

 

小さい頃からこれといった夢がなく、大学に入っても集団の中で自分をPRするのが苦手だったので、3年生になったときには就職活動ではなく資格取得をしようと考えていました。

 

ドラマなどの影響で弁護士や検察官に憧れた時期もありましたが、資格について調べているなかで司法書士を知り、資格取得における難易度や、仕事として考えたときに魅力を感じました。

 

ーー司法書士のイメージは?

 

いま思うととても甘いのですが「何年か勉強すればきっと受かるだろう」「試験にさえ受かれば仕事はあるだろう」と考えていました。

 

司法書士の仕事はやってみないとわからない部分がとても多い仕事だと思います。私自身、司法書士を目指していた当時は具体的な仕事内容がわかっていませんでした。

 

 

ーー試験までの道のりを教えてください

 

友人たちが就職活動をしているのを横目に、私は資格の学校に通い始めました。DVDやウェブで受講するようなコースもありましたが、自分には教室受講の方が向いていると思って、毎週2回、3時間の講義を受けるコースを1年ほど続けました。

 

そして、大学を卒業した年に最初の試験を受けました。ひと通り勉強をしたあとで「どのくらいできるかな?」と力試しのつもりで受けたので、当然落ちました。このときは特に大きなダメージもなく「まぁそうだよな」という感じでしたが、コース受講はもう終わってるので、ここからは自分で勉強していくしかない……その先は記憶が飛ぶくらいきつかったです。

 

ーー受験勉強や試験でのエピソードについて

 

コンビニやスーパーのレジ打ち、日雇いのバイト等もしつつ、1日10時間くらい勉強をしていましたが、だんだん体も疲れてきますし、次第に精神的にもかなり辛くなりました。

彼女や周りはすでに就職しているのに、自分は試験が1年に1回。ここでようやく「あと10年これを続けても受かるのかわからない」っていうことに気付くんです。「この生活をあと何年やっていくんだろう……」と、だんだん現実が見えてきて、最後の方は泣きながら勉強をしていました。

 

 

2回目の試験の後はメンタルがズタボロだったので、すぐに採点もできずハローワークにも行きました。試験の後で参考書は一度も開いていません。

 

結局その試験で合格することができましたが、振り返ると人生で1番きついうちのひとつだったと思いますね。思い出すのも辛い時期でしたが、家族と彼女に支えてもらい心の底から感謝しています。

 

ーー合格後について

 

合格発表の頃には自己採点をして点数がわかっていたので、なんとなく受かっているだろうという思いから、法務局前の掲示板を直接見に行きました。合格がわかったときにはとにかくもうホッとしました。ようやく前に進める……今思えばようやくってほどでもないんでしょうけど、もうこれでなんとかなるという気持ちでいっぱいでした。

 

彼女に連絡すると、泣いて喜んでくれました。実は私のなかで、司法書士試験に合格したらプロポーズするのが夢だったんです。合格後は名古屋の司法書士法人に就職し、その翌年に結婚しました。

 

 

その後、なかなか子どもができず夫婦で辛い思いをしましたが、一緒に不妊治療を乗り越えてふたりの子どもを授かることができました。こうして仕事ができているのも家族、子どもがいるから。自分ひとりのためじゃ働けてないんじゃないかって思いますね。

 

 

事務所には子どもたちが書いてくれた絵を飾っています。

 

ーー司法書士のやりがいについて

 

これまで必死に勉強してきたことを活かして仕事ができるのがとても嬉しく、合格後の配属研修で本物の登記の申請書や登記簿などを見たときや初めて法務局に行ったときには本当に感動しましたね。

司法書士の仕事は登記もあれば裁判もあって、町の身近な法律相談など多岐に渡っていて、自分がやりたいと思えばどんな方向でも進んでいけるんです。登記手続きひとつとってもいろいろな論点があって、毎日何か知らないことや新しいことに挑戦できるという意味でも楽しいですね。

 

これまでにありとあらゆるミスも経験して、その度に色々な方に助けていただきました。10年目を迎えて、感謝の気持ちとともに、人の役に立てていることがとても嬉しく、日々やりがいを感じながら仕事をしています。

 

 

ーーポリシーや座右の銘を教えてください

 

『起こることは起こる』です。

例えば「洗車したときに限って雨が降る」のようなマーフィーの法則を知っていれば、自分にとって不運なことがあった時にも「そういうもんだな」と自分の中で消化できますよね。

 

それを、とある映画の中で「わずかでも起こる可能性があることは、プラスのことも起こる」と、ちょっと別の解釈をしてるのがあったんです。なので、自分の中で何かに挑戦するときや自分の中で選択をする時に「ちょっとでも可能性があるなら、良いことが起こるかも」というスタンスでいるようにしています。

 

ーー趣味はなんですか?

 

 

ホラー小説、SF小説、映画、ラジオ、漫画などなど。時間があるときは趣味を楽しむようにしています。

 

ーー事務所の雰囲気はいかがですか?

 

最近独立をしたばかりでまだまだ自分自身が新しい事務所に馴染めていない気がします。植物が好きなので、今後どんどん増やして居心地の良い空間にしていけたらいいですね。

 

 

また、人の話を聞くのがすごく好きなので、時間が許す限りたくさんお話を聞かせていただきたいです。年の離れた方から「昔はこの街はこうだったんだよ」など色々なお話が聞けるのはこの仕事ならではですね。

 

ーー今後の目標は

 

30年後も司法書士をやっていたいですね。その頃はどんな仕事をしてるのか、どういう風に広がっているのか、あるいはちょっと縮小してるのかもしれないですけど、司法書士という資格はなくなってはいないと思うんです。

 

いま、繋がりのある仲間たちと一緒に垣根を超えた何か大きなことができないかと新しいプロジェクトを模索しています。業界の中では年齢的に若手なので、フットワーク軽く活動していきたいです。また、これまで10年で培った知識をもって、若い世代の方と話す役割も担っていけたらいいですね。

 

森本先生、ありがとうございました!

 

 

取材/テキスト ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com)

インタビュアーより

大切なご家族のお話、奥さまとのエピソードなど心温まるお話をたくさんお聞かせくださった森本先生。思い出すのも辛いという受験勉強を経て、2年で資格取得を実現された実力の持ち主です。柔らかい物腰と聞き上手なところから、ついつい安心してたくさんお話される相談者の方が多いというのもうなずけました。

 

※インタビューの内容は2025年8月取材時のものです。最新の状況は事務所に直接お問い合わせいただくか、司法書士名古屋中央支部へお問い合わせください。

 

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(希望者多数の場合、ご希望に沿えない場合もございますのでご了承ください。)

司法書士名 森本 琢斗先生
所属事務所 森本司法書士事務所
住所 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内三丁目21番21号 丸の内東桜ビル1001
電話番号 052-228-2254
FAX番号 052-386-9037

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