出田 真太郎 先生
名古屋中央支部に所属する先生方にインタビューするこの企画。第7回目は、会社員から司法書士へと転身し、己と依頼者と向き合い続ける出田(いでた) 真太郎先生です。
ーー子どもの頃の夢はなんですか?
中高生の頃は政治家になりたかったですね。僕は生まれが熊本県の八代市で、水俣に近かったんです。教科書で水俣病に関する記載を読んで腹が立って…幼いながら正義感に燃えて、公への憤りがあったんだと思います。
まずは法学部に行って弁護士になって政治家…なんて考えていましたが、高校時代に読んだ森鴎外の本で六法全書が揶揄されていて、あっけなく夢を諦めてしまいました。
当時から今も、足尾鉱毒事件で天皇にまで直訴した田中正造さんを尊敬しています。僕自身は長いものには巻かれるタイプなので、完全なる憧れですけどね(笑)
ーー経歴を教えてください。
神戸大学の経済学部を卒業してトヨタ車体(株)に入社、その後イノアックコーポレーションの海外部門の経理担当へと転職しました。
そのときはちょうど愛知教育大学が新しく日本語教育学部を設立したタイミングで、国の認可が遅れたことで入試試験も遅れて実施されたんです。受けたら受かってしまって…そこで英語の勉強ができました。
今でも海外からや英語での問い合わせには僕が対応していますよ。
ーー司法書士になったきっかけについて。
なんとなく現状に不満があって、経済学を深めようと名市大の大学院を受験したんですがうまくいかず…そこで、なにか資格を取れば展望が開けるかなと思ったんです。
法学部の友人から司法書士という仕事があると聞いて、勉強をはじめました。
ーー司法書士試験までの道のりは?
働きながら資格取得を目指していたので、睡眠を削るしかないですよね。朝3時に起きて6時まで勉強、早めに出社して始業時間までちょっと勉強。そうすれば、夜に飲み会があったとしても勉強できなかったジレンマからは開放されるんです。
そうして予備校なども併用しながら3年目で合格しました。司法書士試験に1回で受かる方もいらっしゃいますが、僕の1回目の試験なんて時間が余ってしょうがなかったですね(笑)最初の1年目は基礎の蓄積で、2年目からが本格的な勉強だと僕自身は思っています。
合格してからはイノアックの外注として経理的な仕事を依頼していただきました。本当にありがたく、いい会社ですね。
ーー印象深いエピソードは?
一番最初に親族から受注した抵当権抹消登記の補正(修正)ですね。提出した書類に不備があって法務局から連絡がきたんですけど、僕は修正の仕方を知らなかったんです(笑)
実を言うと、試験合格後に1〜2ヶ月くらいの実務研修(ほぼ必須)があるんですけど、僕はお金と時間がもったいないと思って無視したんです(笑)そのせいなのか、持ち出し不可の書類を法務局から持って帰ってきてしまったり…最初の頃はわからないことだらけでしたね。
飛び込み営業もしましたがあまり効率的ではなく、結局、他士業の方との交流会などから紹介がつながって、仕事が増えていきました。
ーー苦労したエピソードはありますか?
まだ司法書士に簡裁代理兼がない頃は消費者金融の取り立てがひどく、債務整理の案件でオンオフ関係なく電話がかかってきたことですね。
いま振り返るともちろん大変だったけど、困っている依頼者の方たちと一緒に闘えたという点やりがいがあったとも言えますね。
ーー趣味や息抜き方法を教えてください。
体を動かすことが好きなので、休みの日は草野球や草ソフトをやっています。でも本当は…休みの日は予定がないのが嬉しいですね。1番の至福は、日曜夜6時に家で「ちびまる子ちゃん」が見れること(笑)
また事務所をつぶさないためにも、健康を意識して毎日ストレッチやトレーニングもしています。愛車の「GIANT」は2018型の4年目。たとえ雨でも、半径5キロ以内の移動はこの愛車を使います。
それから、ラジオ番組「NHK語学」のラジオビジネス英語とまいにち中国語は2年続けていますね。
ーーところでそのお召し物は…
ああ、これは居合いをやっているのでその道着です。いつも着ているわけではないですよ(笑)
居合いも2年半ほどやっていて3段を所有しています。
ーーオススメの本を教えてください。
僕は特に宗教にこだわりはないんですが、最近キリスト教に興味があってこんな本を読んでいます。
【神の棘/須賀しのぶ】
あまりの面白さにあっという間に読破しました。軍人と司祭のふたりのストーリーに引き込まれます。
【13歳からのキリスト教/佐藤優】
著者の佐藤さんはキリスト教の洗練を受けていて、知的巨人と言っても過言でない方ですね。
【14歳からの哲学/池田晶子】
もっと早くに読めばよかったと思いました。起きた物事に対する捉え方が知れる一冊です。
ーー今後の目標はありますか?
司法書士として、困ったときに頼っていただいてお役に立ち続けたいですね。「never too late=遅すぎることはない」の精神でチャレンジしていきたいです。
また、いつかテレビのコメンテーターをやってみたいですね!
ーー出田先生、ありがとうございました!
取材/テキスト ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com)
インタビュアーより
迫力ある黒の道着でお出迎えいただいた出田先生。初見はちょっと怖い先生なのかと思いきや、テレビ番組の話や過去の破天荒エピソード?などを楽しく聞かせていただき、大笑いしっぱなしのインタビューでした。出田先生をご推薦いただいた岩本直也先生(司法書士法人名南経営)、ありがとうございました。
※インタビューの内容は2021年9月取材時のものです。最新の状況は事務所に直接お問い合わせいただくか、司法書士名古屋中央支部へお問い合わせください。
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司法書士名 | 出田 真太郎 先生 |
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